変化するべきか、維持するべきか
「よく変化し続けなければ生き残れない」という言葉を耳にします。現状に満足することなく、絶えず状況の変化を察知し、その変化に自らを合わせていくという意味でしょうか。間違いではないでしょう。しかし、全てに当てはまることでもないようです。
変化には、良くなる・悪くなるの大きく分けて2つが存在します。変化したばっかりに、状況を悪くしてしまうということもあります。変化することのリスクというものがあるのです。従って、物事をマネージングする際には、変化する・現状を維持し続けるの2つの選択肢が絶えず存在しています。
もちろん、部分的に変化させながら全体的には現状を維持するということもありますから、その度合いというものは0か1かのデジタルではなく、千差万別のアナログの考え方になるでしょう。
どんなときに変化をさせるべきなのでしょうか。変化にも、現状を変えていく、新しいものを生み出す、今持っているものを無くすという方法があります。
そのきっかけ、判断基準となるものが世の中の動向、世論になるはずです。もちろん、世の中の広い動向や世論も重要ですが、身の回りの動向、世論が重要です。身の回りの動向や世論を推測するために、広い世界の動向や世論を使ったりすることになります。
会社の経営者、管理職の方々は戦略を立てますが、まさに社内外の情報を集めて、変化させるのか、現状維持するのかという判断が戦略になります。変化するのであれば、何をどのように変化させるのか。維持するのでれば、いつまで維持するのか。その確度を上げるために、社内外の情報収集が極めて重要になります。
社内外の情報とは、物価動向や業界の動きだけではありません。苦情の内容や頻度、その内容。支払い事故の件数や金額。注文数の変化や返品数の変化なども重要な情報です。これらの情報を直接握っているのは、様々な社員なのです。
日本版SOX法の内部統制の中でも、これらのことは語られています。基本的構成要素の環境統制、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング、ITへの対応の全てがかみ合い機能しなければ、経営者、管理者は、正しい戦略が立てられないのです。正しい情報を集約しても、その情報を読み取る力がなければ、意味がありません。
「よく変化し続けなければ生き残れない」とよく聞く言葉ですが、それを実践するとなると非常に大変な裏づけがなければならないのです。この言葉を使う人はきっと、その人の勘のような要素を強く持っている人だと思います。きちんと情報を収集して、分析している人であれば、その人の動きは変化ではなく、変化すること自体が現状になっていると思われるからです。
変化を博打的に捉えているか、普通に歩くのと同じように捉えているか...ここに、何か大きな成功の秘密が隠れていそうな気がしています。




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