見積もり依頼の苦悩
小生自身、見積もりを依頼する場合も依頼されるも両方ともありうる立場にあります。その両方を数多く取り扱うだけに余計な配慮も出てしまう。
見積もりを取る場合は、いろいろな場面がある。例えば...
(1)複数の業者の見積もりを同じ立場で比較検討する。
(2)既に、業者を決めているが制度上、建前上、他社から合い見積もりを取る。
(3)そもそも契約するかどうかも分からない状態で見積もりを取る。
などが代表的。
業者としては、(1)に数多く参加したいところ。しかし、はじめから、(1)に参加は出来ないので、(2)や(3)を経由して、信頼を得て(1)に参加するというストーリーが一つある。
しかし、(2)、(3)ばかりでは、当然業者は利益につながらないので嫌がってしまう。このあたりの取り扱いが実は難しい。
見積もりを依頼する方としては、”断ればいい”という心証を持っているので、気軽に業者に声をかけてしまう。
こう考えると、見積もりを取る方に非常に多くのノウハウが詰まっているように思える。業者としては、(2)、(3)での参加ではどのような見積もりを出しても採用されることはない。
見積もりを依頼する方としては、(1)、(2)、(3)を上手く調整しながら取り進めていける。いわば、コントロールできる立場なのだ。
優秀な業者に出会うことはなかなかない。接点がそう多くはないのだ。この見積もり依頼や提案依頼が有力な”業者との出会い”の場なのだ。
見積もりの内容ではない。業者の担当者と直接話す機会こそが業者の力量を測れるチャンスである。
もし、優秀な業者、担当者に出会った場合、今回は(2)、(3)での見積もり依頼かもしれないが、その後の別件での取引では、(1)や(2)の逆立場になりうることにつなげなければならない。
しかし、ここまで考えて見積もり依頼を出しているところがどれほどあるでしょうか。
小生は、大手コンピューターメーカー、ソフトウェア会社、個人事業、エンドユーザー企業、コンサルティング企業と多くの立場で、仕事に携わってきた。この中で、多くの人脈、コネクション、提携企業とご縁を持てたのは、エンドユーザー企業での見積もり依頼だったと思う。
エンドユーザー企業では、あらゆるタイミングで業者に声をかけ、見積もりを取り、提案を聞いてきた。その場では1社の採用を決めるだけだったかもしれないが、その1社を決めるために、3~5社と出会い、話し合い、説明し、提案を受けてきた。その中で、必ずここの業者と仕事がしたいと思えることが1~2つはあるものだ。
この場合、見積もりを受けて採用しないことを伝えてそれで終わりでは意味が無い。その場で、何とかつながりを維持して、関係を継続させることを考えるのだ。別件につなげる場合や関係だけを維持して将来あるであろう別案件に登場させることもある。小さな契約を結んでしまうこともある。
こうして、有力で信頼できる業者を選定し、保持することができる。これが実は見積もりや提案を依頼する方のメリットだと思っている。実際、小生はエンドユーザー企業時代に多くの業者とコネクションを持つことが出来、現在のコンサルティング業務で最大限活かしていると思っている。
そして、現在、さらに上の考えを持って第三者として、見積もりを依頼する立場で考えると、(2)、(3)の見積もりは生産性がない見積もりとなるので、実施しない。もちろん、業者に出会い、説明し、話し合い、提案を受けることは行うが、見積もりの土俵には乗せないことが多い。
業者にとっても、金額ではなくその内容で結論を出してしまうので納得してもらえる。
見積もりに乗っけてしまうと、数字の勝負になってしまう。これでは、正しい合い見積もりにならないのだ。
合い見積もりは、ビジネスの基本であると思う。しかし、単なる数字の勝負を行っていては最適なものを選択できない。そう、考えている。




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