手離れ
IT業界では、よく”手離れ”という言葉が使われます。IT・システム・ネットワーク関連では、設計・構築・導入・運用とフェーズに分けられることが多く、一気通貫で一つの業者が担当するパターンもあれば、フェーズごとに業者が異なることもあります。
ユーザーサイドとしては、当然のごとく混乱なく、費用が抑えられる方法が好まれます。設計・開発した業者がその内容を良く知っていることもあり、引き続き運用までを担当することが望ましいかもしれません。
しかし、業者の立場に立つと、「設計、構築、導入」と「運用」とは、少し考え方が異なってきます。前者は、いわゆる初期費用に当たるもので、費用の額は高い傾向にあります。後者の運用は、金額の額が低くなりますが、”何かあった場合は対応する”という役務となりますので、収益の効率が悪くなるのです。
そこで、業者としては、「設計、構築、導入」と「運用」切り離して、「設計、構築、導入」部分のみを繰り返して(さまざまなお客様に対応する)、収益を上げようとします。また、「運用」についても、そのお客様だけの運用対応(保守対応ともいいます)だけでは効率が悪いので、いくつかのお客様の運用(保守)だけを担当するように考えていくことになります。
お客様にとっても、システムやネットワークなどIT関連をそれぞれに運用対応の窓口が異なることは煩わしく思いますので、運用の窓口一本化を望むこともありお互いのメリットが重複し、「設計、構築、導入」と「運用」とが分離される傾向になるのです。
「設計、構築、導入」と「運用」とが分離されることを”手離れが良い”と表現するのです。設計・構築を担当するエンジニアの単価は高く、運用を担当するエンジニアの単価は低い。単価の高いエンジニアが単価の低い仕事をすることは非効率なので、手離れ良く単価の高い仕事を中心に担当していくのです。
この話の前提が、ある程度の組織力を持った企業が考えることであり、組織力を持たない零細企業や個人事業主での仕事では、なかなか手離れが良い状態を作れないで苦しんでいることも多いのです。
一気通貫で担当することのメリットもあります。より深くお客様の環境に入り込めますので、その後のメンテナンスや改造、次期フェーズの対応など担当できる可能性が高くなります。と言われていますが、実際は、机上の空論で理想論に近い話でもあると感じています。お客様自体が、改造や次期フェーズを考える頻度が低いというのが実感。お客様の規模自体が大きければ、それなりに数年後までの計画も立てられるでしょうが、中小以下の規模のお客様であれば、次はまた別途に新規に考えることになりいつになることやらという状態になりがちなのです。
以下に、手離れを良くするかは死活問題にも発展する問題なのです。
IT関連に限らず、サービスプロバイダーとして、設計・構築・導入までと運用とでは、質が異なることもあり、以下にお客様にご負担をかけずに手離れ良くするかは、今後の将来の事業拡大につなげられるか、停滞させてしまうかの分かれ道ともいえます。
このあたり、どうやってお客様を先導(誘導)するか、そしてその体制をどう築くか... 意識しているのと、行き当たりばったりでは数年後に大きな差が生まれてしまうことでしょう。




">





