怖さから自信へ
新しい環境に入るとき、何かを始めたとき、ドキドキする気持ちがありますよね。期待と不安が入り混じる感じ。
子どもの頃は、期待の方が大きく楽しいというか感情を持つことが多かった気がします。しかし、歳を取るに連れて、責任感の増大や不要なプライドを持つように、持たされるようになって嫌だなぁと思うことが増えてきたことも事実です。
子どもの頃は、周りの大人が不安に対してフォローをしてくれる体制があったように思えます。だから、安心して挑戦できていた。
しかし、大人になるとフォローされることが少なくなり、自分自身で不安を解消しなければならなくなり、不安、失敗、非難を真正面で受け止めなければならない。その結果、嫌だなぁと思うことが多くなった。
誰も助けてくれない。誰もフォローしてくれない。そんな、環境で大人は新しい環境へ足を踏み入れなければならない。逃げられない、逃げてはいけない場面を多くこなしてきましたし、これからもこなしていかなければなりません。
特に、経営者、管理職のビジネスマンは、新しいことの挑戦の連続でもあります。この新しいことへの挑戦に対して、不安をどう扱うかによって挑戦への結果が違ってきます。
小生の趣味は、ドッジボールです。子どものドッジボールを応援しているだけの頃は、単に応援パパでした。しかし、そんな緩い環境に飽き足らず、まずは、公式審判員になろうと思って足を踏み入れました。
どうすれば、審判になれるのか、審判員になった後は、どんな活動があるのか、どう手続きをすれば良いのかも分からず、WEBの日本ドッジボール協会の問い合わせからスタートしたのです。このときは、何とか、なるだろうっと思ってましたが。
そして、講習会を受け、無事に公式C級審判員となることができましたが、そこからが大変なのです。ドッジボールは、ルールも細かいところは複雑であり、ジャッジの精度もドッジボールの試合のジャッジを数多く経験しないと身に付かない。これは、どの世界のことでも同じです。
当然のことながら、最初のうちにはまともにジャッジなんてできやしない。連続のプレーを一瞬一瞬見て、判断して、行動するのは、経験を積まなければできないことなのです。経験を積んでも、完璧にできることなどない。だからこそ、ドッジボールの1試合を6人の審判員と1人のコートマスターの7人で見守るのです。お互いのジャッジを補完し合いながら。
だからこそ、ドッジボールの練習試合、交流戦こそが、審判員にとって挑戦の場でもあります。ここで、尻ごみをしているようでは、先の扉は開きません。練習試合、交流戦だからこそ自らの意思で飛び込んで、ジャッジする機会を増やさなければならない。
そして、当然、手厳しい指摘の嵐が降り注ぐ... 「あれは、アウトでしょう」「あれは、当たっていない」「あれは、ワンバンドだよ」なんてのはまだ良い方。「パスカウントを数えていない」「プレーが途切れたら、全ての線審を見るように」「アドバンテージを取って笛を吹いちゃいけない」「笛の吹き方がおかしい」「見える位置に動いて」「ボールが当たる瞬間は、静止する」「できる限り姿勢を低くして見る」「頭を下げずに、身体ごと下げる」などなど...
頭の中でルールは入っているもの、それを頭で理解していることと身体で覚えていることでは雲泥の差があるんです。そして、ジャッジの精度だけではなく、「コールするときは静止して、直立不動で」「はっきりとコールする」「腕を曲げずにピンと伸ばす」「かっこよく動いてスッと止まる」「ゆとりを持って」と選手や応援団に魅せるジャッジまで指摘が飛んでくるのです。
始めの頃は、なんでこんなに言われなけりゃいけなんだろう? 何のためにこんなことやってるんだろう? と、モヤモヤ感が募るばかりでした。そして思ったんです。このモヤモヤ感が嫌で、ここで辞めていく人が多いんだろうなと... なにせ、一回言われてからって、そう簡単に修正できるわけじゃない。おんなじことを何度も何度も同じ人違う人から指摘され続けるのですから。プライドはズタズタになるのも分かります。
しかし、主役であるプレーする選手たちは、必死にドッジボールをプレーしているんです。小学生の体育のドッジボールの雰囲気とは全く異なり、真剣勝負! そんな試合を中途半端な審判がジャッジすること自体、許されない雰囲気なのです。だからこそ、手厳しい指摘が飛ぶ。一人前の審判にさせようと、させなければならないと思いから。
これらの指摘も実は、審判初心者という肩書きがあってのことだと思うんです。初心者の審判だからこそ、指摘してあげようと先輩審判たちは思い、そして指摘、指導してくれると。正直、人の出来ていないところを見つけて指摘することも実は、嫌なことですよね。でも、審判を育てる、一緒の仲間だと思うからこそ手厳しく指導できる。
社会人になっても、大人になっても、この”初心者フォロー”は有効なんですね。初心者、挑戦し始めの頃は、周りがフォローしてくれる環境はあるんです。しかし、この”初心者フォロー”の特権を自らのプライドからか使わない人が多いだけ。ドッジボールの審判だって、初心者だから指導・指摘をしてくれて、それを見守ってくれる。そして、一つずつ指摘されたことを意識しながらジャッジして身につけていく。ビジネスも同じこと。
初心者のうちに、こうしたフォローを受けながら挑戦し続けてノウハウを身に付けられれば、立派に次の段階に進んでいけます。しかし、初心者のうちに、初心者フォローを拒否し、我流で突き進んだり、そもそも挑戦を辞めてしまうと成長なんてありえない。
どんなことが起きるか分からないという恐怖、怖さ。ここから逃げるか、ぶち当たっていくかが大きな分かれ目。経験から、何が起こるか何とか分かってくる。だから、恐怖心、怖さも小さくなってくる。そして、ゆとりが生まれて自分らしさを表現できるようになる。そして、自信につながる。
このロジックから逃げ出すのは簡単なこと。でも、成長なんてできっこない。”初心者フォロー”を上手く使って、挑戦すること。失敗も初心者ならば、まだ許される。挽回も可能。
怖さを自信に変えるために、プライドを一旦棚上げにする勇気。あなたは持っていますか?