◇ 花火大会 1回半
金曜の夕方、雷雲がある訳でもないのに
ドンドンと地響きのような音がする。
息子と北側のベランダに出てみると花火が
上がっているのが見えた。
但し、向かいの三階建ての家の陰になって
上半分しか見えない。息子は椅子を持ってきて
伸び上がるようにしてみている。
翌日、今度は南側で花火の音がする。
バルコニーに出ると、正面に花火が今度は
丸く見えた。
近場まで行って満天の花火を見上げるのも
良いであろうが、日が暮れて風が涼しくなった
我が家のバルコニーから、遠目の花火を見るのも
なかなか乙なものである。
「花はさかりに、月はくまなきをのみ見るものかは」の
伝で行くと、花火を見に表にでるのも野暮で、
打ち上げ花火の音を聞きながら、
「ああ、どこかで花火を上げているのだなあ」などと
思うだけで、しみじみしているのが良いのであろう。
しかし、子供は兼好法師ではないので、
何故、花火を見に行かないのかと
恨めし気にこちらを見ている。
吉永 操










