◇ 実践的進歩
実践を通じて進歩する人を見ているのは楽しい。
先日、近所のスーパーで一週間分の買い物をしていたときのこと。
レジが込んでいたので待つ間、ふと目の前で会計の済んだ買い物を
運ぼうとしている人が目に止まった。
このスーパーではレジ袋が有料であるため、マイバック持参或いは
スーパーが用意したダンボールを利用する。
件の人はめがねを掛けて(休日なのに)髪の毛もきちんと櫛が通っている
真面目な事務員といった風情の男性。
ダンボールに買い物を詰めていたのだが、底をテープで止めていないので
持ち上げると底抜けになることに気が付いた。
早速、子供(やはりめがねを掛けて、髪の毛がキチンとしている)に
紙テープを持ってくるよう言いつけたらしい。
子供は段ボール置き場に固定されているテープ巻きから30cmほどに
切った紙テープを持ってくるが長さが足りないため、何回も往復している。
お父さんはお父さんで、この手の紙テープは重ねて貼っても紙テープ
同士はくっつかないことを知らなかったようで、折角テープを貼ったのに
強度不足のため、またもや箱を持ち上げると底が抜けてしまった。
こうなると最早、自分の会計のことよりもそちらが気になってしまう。
その後、そのお父さんはダンボール置き場に固定されている紙テープ
巻きのところで箱を組み立て、それからテーブルで買い物をいれるという
正しい手順に到達した。
最初のトライアルからすると大きな進歩でありご本人にはそれなりの
達成感があったものと想像する。
人間、至るところに学ぶ機会はあるものだ。
吉永 操









