◇ わたしをかりたてるもの
思わせぶりなタイトルだが、要するにドライビングフォースのことだ。
息子(小五)が通う塾では、最近になって最後の一問が出来たら
帰ってよいというシステムにしたそうだ。
先日の保護者面談で、このところ連続して息子が一番に帰宅して
いると言われた。
定期試験では大した成績を残せないのだが、算数ではトップクラス
の子を抜いて一番なのだそうだ。
息子に理由を聞いたところ、もう空腹で早く夕飯を食べたいから、という答。
実にくだらないドライビングフォースが彼を支配していることがわかった。
なるほど、だから午後一番に始まる定期試験で、彼はやる気を起こ
せないのだ。現金な奴だ。
そういう私も、今日は宴会だというと、何故か残業しないでもその日の
仕事が終わっていることがある。
多分、宴会のある日に限っていつもより仕事が少ないのだと思うが、
そんなところまで親子で似るとは思わない、思いたくない。
何のために仕事をするのか、という問題に対して大上段に構えて人生が
どうしたとか、社会的欲求がどうしたということが良くいわれているが、
それだけでは毎日の緊張感は持続しない。
少なくとも私は高邁な目標だけでは息が詰まってしまう。
もっと卑近なドライビングフォースを自分で認めても良いのではない
だろうか。
遠くに大きな目標を置くよりも、近いところに一寸ずつ、魅力的な
目標を置き続けて気が付いたら大きな目標に到達している、という
のが私の理想だ。
吉永 操









