◇ 子供の世界
小学五年生も終盤になると、子供の世界も大人が
立ち入ることができない領域が増える。
昨日も子供が顎のところに小さな切り傷をつけて帰ってきた。
喧嘩したのか、と聞いたところ、そうだ、と答えたきり何も言わない。
相手の子も怪我をしたのか、と聞くと、そんなことはない、
というのでとりあえず安心した。
その後、ぽつぽつと語るには、一寸したことで言い合いになった
とのこと。
大した怪我は双方していないようなので深く追求はしなかったが、
一日以上ふさぎこんでいる。
自我が目覚めるにつれ、友達と見解の相違という奴でぶつかる
こともあるだろうし、子供特有の残忍さが相手を精神的に傷つける
こともあるのだろう。
ぶつかり合った痛みから相手の痛みを知り、大人になっていって
欲しい。
吉永 操









